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InDesign2017、最初の感想


Adobe CCが2017にバージョンアップされました。

まだすべてのソフトを試すことはできていませんが、まずは、最も頻繁に使っているInDesign2017の第一印象と使い心地についてご報告します。

ツールバーのフォントが1回り大きくなった♪

これは、すごく嬉しい改善点です。

どこででも作業ができるように、現在、デスクトップでのInDesign使用を止めて、小さなラップトップでInDesignを使っています。そうすると、ツールバーの数値や単位がよく見えなくて、後頭部に焦点を合わせる感じで文字を読んでいました。

InDesignのスタートは1999年からですが、その前、PageMakerから、それもAdobe製品ではなく、Aldus製品だった頃から使っていた方々は、(自分も含めて)、すでにそういうお年頃なわけで……(笑)
そういう私たちに、あの小さな文字は本当に見えなかったのです。そのために、わざわざメガネをかけるのって、なんだかシャクですしね。

今回のバージョンアップでは、後頭部に焦点を合わせなくても、普通に文字を読めるようになりました。
ありがたいです。

オリジナルワークスペースが消滅……

作業効率を高めるため、よく使うパレットは自分でカスタマイズして、オリジナルのワークスペースを登録していました。複数登録してあったのですが、全部、消えていました……。

すでにオリジナルワークスペースに脳内回路がならされているので、もう一度、登録するのにも面倒なことになりました。Ver.2015のデータを探したら出てくるのかもしれないけれど、引き継いで欲しかったです。
まあ、これは1回だけ登録すればいいだけなので、許します。はい。

先頭の文字を取りこぼす!

これが現在、一番困ったちゃんの状態です。文字を入力しようとすると、先頭の1キーを取りこぼします。9割の確率で取りこぼします!

「変換」と入力したいのに、「鉛管」と入力されるし……!
「操作」と入力したいのに、「追うさ」と入力されるし……!

しかも、その取りこぼしたキーが別のタイミングで一斉に入力されるのです。「h」とか「s」とかがゾンビのように現れる。
これは、バグでしょうか、仕様でしょうか、自分の使っているキーボードとの相性でしょうか。
今までのバージョンではそういうことがなかったので、これはやっぱりVer.2017が理由かなと思います。改善を求めます(涙)

重い……

InDesignは、中に貼り付けた画像のアプリケーション(Photoshop)を、InDesign上から呼び出して編集できます。連携機能としてとても便利な機能で、愛用していました。

ところが、この愛用がほとんど無理になりました。
InDesignからPhotoshopを呼び出そうとすると、どちらもデブになったようで、互いにメモリの取り合いを始めます。

P「俺のメモリだ、勝手に使うなっ!」
I「何言ってんのよ、私が先に使ってたじゃないっ!
あんたこそ控えなさいよっ!」

とか、やってるのかなと思うくらい、互いにメモリを取り合いしています。
先に起動していたInDesignは挙動不審で固まったような動きになるし、後から起動しようとするPhotoshopは、なかなか起ち上がりません。

もちろん、メモリを追加すれば済むj話なのですが、今まではちゃんと使えていた便利な機能なので、なんとも釈然としないです。君たちが勝手にデブになった代償を、こちらで払うのは変ではないかい?

何度か試しましたが、その都度、メモリの取り合いで喧嘩が始まります。
諦めて、InDesign単体、Photoshop単体で、それぞれ喧嘩させずに使うことにしました。
ところが……。

[終了]が遅くなった……

[終了]を選択しても、なかなかファイルが閉じてくれません。
その大きな原因を作っているのが、新機能の「ワークスペース」のようです。

この機能、必要なのでしょうか???? スマートフォンやタブレットだったら便利な機能なのかもしれませんが。
この機能のおかげで、他の操作に影響が出たり、メモリをばんばん食らうくらいだったら、「余計なお世話」のような氣がします。

不要な機能は全部OFFに!

とりあえず、環境設定の項目を確認して、不要そうな機能をOFFにしていきました。

「開いているドキュメントがない場合、「スタート」ワークスペースを表示」→ OFF!
「ファイルを開くときに「最近使用したファイル」ワークスペースを表示」→ OFF!
他にも、けっこう「要らないなあ」という機能があって、全部OFFにしました。

一番、メモリ食いは、その「ワークスペース」なんちゃらの機能のようです。
これをOFFにしたら、少しは高速で動くようになりました。ほっ。

他にも、「おかしいぞ」という挙動不審な箇所を発見していますが、きっと近いうちに、こっそりとバグフィックス版が出てくると思います。そうなりますことを期待しています。

いろいろ書き連ねてしまいましたが、それでも、InDesignが便利で使いやすいソフトであることに変わりはないです。
このソフトのおかげで、書籍制作の効率が飛躍的にアップしているのですから、InDesign君はやっぱり頼れる愛棒です。

InDesign Ver.2017。さらに使い込んで、今度は良いところをもっと発見したいと思います。

書籍、完成間近


7月から延々と制作していた書籍がようやく最終段階に入りました。
本来ならばもっと前に完成していたはずですが、スタートが出遅れてずるずる延びてしまいました。

ただ、6月最終日の「夏越の祓」ですべてをリセットさせてからのスタートになったので、実際は最適なタイミングだったのかもしれません。

それぞれの著者がアイデアを持ち寄って、限られたページ数の中にギッシリと盛り込むことができました。
ギッシリし過ぎて、「入らない、どうやって入れる?」のページレイアウトに時間がかかってしまいました。とても有難い状態です。

InDesignも大変です。重いデータを高速で移動させようとスクロールするので、動きについていけなくてプッツン……また落ちた。涙。
InDesignに復元の機能が搭載されているおかげで、本当に助かりました。

あまり高速ではないマシン、しかもメモリも十分に搭載しているわけではないのに、この負荷に本当によく耐えてくれました。

共著のお二方も、当方の稚拙なやり方に本当によく頑張ってくださいました。
出版社の編集さんも、風邪をこじらせて中耳炎にまでなりつつも、すばやく、かつ詳細まで適切な校正を返してくださって、本当にありがたかったです。

多くの方々に支えられて、書籍は完成します。

関わってくださった皆さんに心から感謝します。
ありがとうございました。

書籍制作はみんなの力で

紙の書籍では、関わる全員のアイデアと意見が集約されて、1つの形になっていきます。
複数の人々が目を通し、さまざまなアイデアを重ねるうちに、新たなオリジナルのアイデアへと育っていきます。
独りよがりでは、紙の書籍は完成しません。

一方、電子書籍の場合は、そこまでアイデアを煮詰めるまでに至っていないことが多いようです。
今の電子書籍は、コンバータの普及などによって、「誰でも簡単に出版できる」要素が整ってしまいました。このため、執筆からページ制作まで著者が一人で担当してしまい、第三者の意見やアイデアが入らないまま出版できてしまいます。
結果、独りよがりの書籍になってしまいがちです。

現在の電子書籍において、今一歩の電子書籍が多くなってしまったのは、こういう背景も関係がありそうです。

「誰でも出版できる」からこそ、きちんとプロの意見を通すことが重要です。
すべて、餅は餅屋、です。

「聞く力」も大切

……ただまあ、餅は餅屋であっても。
そのプロの意見を頑なに拒んで聞き入れず、自説を曲げない著者だったりすると、結局は、どんな場合でも独りよがりの書籍になってしまいます。
自分自身、少し耳の痛い話ですが(笑)

何十年もの執筆経験のある著者ならば、自説を曲げない方法も大切かもしれません。
しかし、新人が頑固で自説を曲げない書籍を作ってしまったら、それは、ただの自己満足。少なくとも、以後、プロの作家として活動することは難しいです。
皆様、ありがとうございました。
それにしても。
書籍制作は、本当に楽しいです。そして、とても奥が深い。書籍制作の仕事は、永遠にお付き合いすることになりそうです。

関わってくださった皆様に厚くお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

山登り、本格スタート


書籍制作が佳境に入ってきました。
今回は、執筆、統括編集、そして、全ページのページデザインを担当します。

テクニカル書籍のデザインは、細かく入り組んでいます。
このところ、電子書籍や一般的な紙書籍の制作が続いていたので、ひさびさのテクニカル書籍のデザイン構造にヘロヘロになっています。

書籍の設計
書籍の設計

しかし逆に、この難易度の高いデザインを何冊も制作させていただけたおかげで、電子書籍や一般書籍の組版は苦もなく高速で組めるようになったわけです。

「この原稿、あっちのページに移動して」

一般的な書籍では、文字数が変わったりページが移動したりしても「連結」されているので、一緒にずれていくだけで、さほど問題は発生しません。

一方、テクニカル書籍は、本文と画像とキャプション、さらにはコラムやメモなどが複雑に入り組んでいるため連結は難しく、どこかを移動するときでも、全体を見直す必要があるのです。たとえば、本文は前ページで終わっているのに、付随するメモは次ページに取り残されたり……、いろいろ不備が生じます。

しばらく潜ります。浮いてこれなくて、そのまま地に還ったりして。笑

レイアウト & 執筆のお供
吉田兄弟+MONKEY MAJIK『criminal』
ヘビロテになりそうです。